昨年の10月7日から15日まで行われた2001年春夏パリコレクションに、仕事で行ってきました。
今回は寒さに加え、連日、雨が降り続きました。
20世紀最後の、そして21世紀に向けてのコレクションということで、どんなものが現れるかと期待していたのですが、全体を通してのキーワードは80年代風、ロックテイストではないかと思います。シック(上品で粋)なものとミリタリー(軍服・制服)なものの組み合わせ、ランジェリーウェアー(下着)とアウターウェアー(外着)の組み合わせ、マニッシュ(男っぽい)とフェミニン(女っぽい)の組み合わせといったように、正反対のハードなものとソフトなものを融合させたファッション(フュージョンデザイン)がトレンドとしてあげられます。色味は黒、スキンベージュ等の着やすい色が多く、もう一方では蛍光色も多く使われていました。
そして、特に目についたのが、オプアートやジオメタリックと呼ばれる、目を錯覚させるような模様や幾何学柄などで、それに日本の着物風の形や柄も多く使われ、アクセサリーとしての着物の帯のような太いベルトもたくさん見受けられました。
また、ロックティスト調ということで、アイレットと呼ばれるはと目(開けた穴につける、まるい金具)が、パックやベルトに使われたり、フィッシュネットと呼ばれる漁網のような洋服も登場しました。さらに、ルイヴィトンのバッグに代表されるグラフィティーと呼ばれる落書きプリントやリアルプリントと言って、Tシャツやスカートに写真をプリントさせたものも多く見られました。
そして、ヘアーメイクはナチュラルなものから、ハードなものまで、バラエティにとんでいました。
ヘアーは前髪をボンパドール風(カーラーを巻いたようなフワッとさせたロール髪)にさせ、バックはクシヤクシヤと無造作に下ろした三つ編みをアレンジしたもの、もしくはウイッグをかぶせたものが目立ちました。
メイクアップは、ベースはナチュラルで、眉毛を立たせて意志の強さを強調させたものや、着物柄やオプアートに合わせて、可愛らしく頬をピンクにしたもの、また、少し白ぬりに赤いリップと芸者風のメイクをするブランドもありました。
全体の傾向としては、頬をまあるくピンクにしたり、ナチュラルなベースに、赤かピンクの口紅をつけ、眉を少し太めに描くことが、今年の主流を占めるのではないかと思います。
今年の春夏のパリコレクションの傾向をご紹介してきましたが、皆様もこれをそのまま取り入れるのではなく、自分らしさをプラスしながら、ほんのちょっぴり、こうしたトレンドを加えて、お楽しみください。
2001年3月
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