皆さまもよくご存じのことと思いますが、ファッションとメイクアップは切っても切れない関係にあります。以前書かせて頂いた「メイクアップの歴史を振り返って」の中で、その時代によって、変化していく流行のメイクというものを紹介させていただきましたが、やはり、ファッションの流行に伴って、同じように変化していってるというものでした。
わかりやすい例として、コレクションなんかもそうだと思います。やはりデザイナーの創る洋服やテーマに合わせて、ヘアー&メイクアップが考えられていきます。最近、よくテレビで「ファッションチェック」なるものを見かけますが、よく聞いていると、「その洋服の時は、ヘアーはアップの方がいいわよ」とか、「そういう洋服の色の時はリップは赤くない方がいい」と評論されています。この「ファッションチェック」からもわかるように、ファッションとメイクは切り離して考えられないのです。
かの有名なコスメティック・デザイナーのセルジュ・リュダンス氏も「私は常にメイクを全体的にとらえる。それは、ある想像の世界の一部ではあっても、中心ではない。衣装とメイクは両者一体でとらえなければならない」とおっしゃっているように、メイクだけを切り離して考えることは不可能に近いことなのです。
皆さまも自分自身でメイクされたり、人にしてあげたりする時のことを思い出してください。今日の服装は、とか、今日のポイントとなっている色味は、と考えながらメイクをしていませんか。
例えば、とてもカジュアルな洋服に、きちんとしたエレガントなメイクは合わないですよね。そう考えていくと、メイクは、すでにファッションの一部になってしまっているのです。ですから、お洒落を考える上では、洋服と同じように、メイクもいくつかのバリエーションを持っておくことが大切だと思います。
特にリップは、この色が似合うと決めたら、同じ色ばかりをつけておられる方が多いと思いますが、少し他の色をプラスしてみたり、ツヤやパール感などの質感を変えてみたりするだけでも、ずいぶん変わってくると思います。
リップ以外にも眉の描き方を知的な感じにしてみる等、ファッションやその日の気分に合わせて変えていかれると、もっとオシャレが楽しくなると思います。
2001年10月
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